温泉博物館 名誉館長の 温泉ブログ

  温泉の科学や温泉現象について、わかりやすく解説します

温泉文化

「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に登録すること

少し前ですが、新聞に「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に登録することをめざす知事の会が発足したという記事がありました。また、日本温泉科学会においても、温泉文化の登録に関するシンポジウムが開かれたことがあります。各界で登録への機運が高まって…

名所になる要素を考える

鳥取県東郷温泉「寿湯」 温泉通の皆さんの中には、下の写真を見ただけでどこの温泉かわかる人が結構いらっしゃるのではないかと思います。 東郷温泉寿湯のメインアプローチ 温泉へのメインアプローチの「通路の幅が狭すぎる」ことで知られる鳥取県東郷温泉の…

温泉地の看板は楽しい!

温泉地や観光名所等に設置されている看板を真剣に見ると、とっても楽しいです。設置した役場や教育委員会の担当職員が、「説明しようとする対象」をよく理解していないために、時として私たちを大いに楽しませてくれます。 鳥取県倉吉市 関金温泉の説明看板 …

山の中の温泉地でタイムスリップ

奈良県 洞川温泉 奈良県天川村の洞川(どろがわ)温泉。深い山の中で時代に取り残されたかのように、独特のスタイルの木造和風旅館が街道沿いに軒を並べています。まさに圧巻です。 洞川の旅館街は、大峰山(山上ヶ岳)への修験者や参詣者の宿場として栄えて…

温泉界のスーパースター 空海

宗教も神社仏閣にも全く興味のない罰当たりな私ですが、空海(弘法大師)にはあこがれます。 「空海」は僧としての名前で、醍醐天皇から贈られた号が「弘法大師」。大師の号を持つ高僧は24人いるそうですが、今の世の中で「お大師」とか「弘法様」と呼ばれて…

わが国唯一の温泉博物館「下呂発温泉博物館」

下呂発温泉博物館 岐阜県の下呂温泉には、わが国唯一の「温泉博物館」があります。 下呂発温泉博物館の入り口 下呂発温泉博物館の外観 日本人は「温泉好きの温泉知らず」と揶揄されることが少なくありません。昔から温泉が大好きで生活の中の重要なポジショ…

下呂温泉はなぜ「日本三名泉」なのか

下呂温泉、草津温泉、有馬温泉は「日本三名泉」と呼ばれることがあります。なぜ、この三つの温泉地が「日本三名泉」なのでしょうか。 江戸時代の温泉番付(下呂発温泉博物館所蔵) 下呂温泉の歴史は古く、『飛州志』や、その他の記載から、平安時代の延喜年…

温泉はどこへ向かっているのか

『驚異のドキュメント 日本浴場物語』を視聴して 12年前の日本温泉地域学会において、東京国立近代美術館フィルムセンターの浅利浩之さんが、「映画『驚異のドキュメント 日本浴場物語』が物語る浴場と欲望」というテーマで発表をされました。強烈なインパク…

つげ義春の温泉

岐阜市柳ケ瀬の「ねじ式」 岐阜市の歓楽街?柳ケ瀬に、国宝級(人によって見解が異なります)の看板があります。「ねじ式」です。スナックの看板です。夜になるとピンク色の輝きが一層魅力的です。 柳ケ瀬の「ねじ式」の看板。 タイトルも字体も色彩もすばら…

地名も大切な文化だと思うのですが

私が大好きな地名 23年ぶりに大好きな地名の標識に会ってきました。 私が日本一好きだった地名 「兵庫県 温泉町 湯」 「温泉町湯」という憧れの地名も、浜村町と合併して今や「新温泉町湯」になっていました。ゴジラもウルトラマンも温泉も「シン」の時代な…

温泉の未来は君たちにかかっている

「いいねえ! 3年4組」 長野県にある諏訪湖のほとりに湧く2つの温泉地。昔、駅のホームに露天風呂があったのが上諏訪温泉。湖畔の片倉館に圧倒されます。 一方、諏訪大社の門前町であり、中山道と甲州街道が交わる宿場町でもある下諏訪温泉。小さな旅館や…

旅館の夕食に出される「紙鍋」が燃えないのは何故?

夕食の紙鍋が燃えない 先日泊まった田沢温泉の旅館の夕食に、写真のような「紙鍋」が出されました。宴会などでもよく見かけます。なぜ、紙の鍋を燃やしても燃えないのでしょうか。 旅館の夕食で出される「紙鍋」 紙鍋の中は、必ず何らかの汁(水)で満たされ…

車に乗ってやってくる温泉もあるよ!

「ローリー温泉」がいっぱい ローリー温泉とは、言うまでもなくタンクローリーで運ばれてくる温泉のことで、そういった温泉施設をそのように呼ぶこともあります。 トミカのミニカー「温泉タンクローリー」 写真は、トミーのミニカー(トミカ)シリーズの「温泉…

湯治場の舞台裏

草津温泉とハンセン病療養 草津温泉湯畑泉源 草津温泉は古くから湯治場として知られていました。その効能を求めて、全国各地から身体を患った人々が訪れていました。特に皮膚病に効能が高いと伝えられた草津温泉には、明治時代になるとハンセン病を患った湯…