夕食の紙鍋が燃えない
先日泊まった田沢温泉の旅館の夕食に、写真のような「紙鍋」が出されました。宴会などでもよく見かけます。なぜ、紙の鍋を燃やしても燃えないのでしょうか。
紙鍋の中は、必ず何らかの汁(水)で満たされています。この時、下から紙を固形燃料の炎でいくらあぶっても、鍋の代わりをしている紙は燃えません。
紙鍋では、紙の上が水(いろいろな汁)で満たされているため、いくら熱しても炎からの熱が、紙の上の水(汁)に伝わり、水(汁)を温めるために使われてしまいます。
ところが、紙の上の水(汁)は、いくら温められても100℃程度までにしか上がらないため、紙を燃やすだけの温度には達しません。そのため、紙が燃えない訳です。
まだ固形燃料が燃えているうちに、中の物を食べて汁まで飲み干してしまえば紙の鍋は燃えますが、固形燃料が燃え尽きる頃にならないと、だいたい具が煮えないように設定されているようです。
紙鍋の紙には、いろいろな添加物が少なく丈夫な「和紙」のような素材が使われることが多いようです。
サイエンスショーなどでよく行われる、「水の入った水風船」を、下からチャッカマンなどで熱しても割れないというのと同じ原理ですね。