温泉博物館 名誉館長の 温泉ブログ

  温泉の科学や温泉現象について、わかりやすく解説します

温泉博物学「温泉軟膏」

なんか効きそう!「血の池軟膏」

別府鉄輪温泉の名勝「地獄めぐり」の一つに、赤い色をした「血の池地獄」があります。池の見学場所の傍らには、「血の池軟膏」などの販売コーナーがあります。

別府地獄めぐりの一つ「血の池地獄

「血の池軟膏」とは、血の池地獄に堆積した鉱泥に、イオウ、モクタール、ワセリンを混ぜて作られた軟膏で、れっきとした第3類医薬品です。

血の池地獄で販売されている「血の池軟膏」

「医薬品」ですので、温泉とは違って効能を謳うことができます。レトロ感満載のパッケージには、田虫、水虫、しらくも、疥癬(かいせん)、がんがさ、はたけ、霜やけ、火傷、肛門ただれ、ひび、あかぎれなどが効能として記されています。

袋のデザインと言い、「ここでしか売られていない」という販売コーナーの雰囲気と言い、この軟膏が何かしらわからないけど効きそうな気がしてくるから不思議です。私が購入したのはもう何年も前になりますが、血の池地獄のホームページによると、内容量22gで、現在の価格は1500円となっています。

何か効きそう!「煉り湯華」

これに似たような「温泉軟膏」に、秋田県玉川温泉売店で売られている「煉り湯華」があります。「湯花含有量18%の甲」と「湯花含有量4%の乙」の二つのタイプがありました。こちらは医薬品ではないため、効能を謳うことはできません。でも、天下の玉川温泉の温泉成分から作られていると聞けば、ものすごく効きそうな気がして、神にもすがる思いで、ついつい買ってしまいそうです。いや、買いました。何年も前に買った時は、1000円ぐらいでした。

玉川温泉で販売されている「煉り湯華」

玉川温泉の湯の華採集場所

日本一の湧出量を誇る玉川温泉「大噴」泉源

「血の池軟膏」も「練り湯華」も両方とも購入しましたが、自分の肌に使用はしていませんので、効能についてはよくわかりませが、温泉博物館の展示資料として重宝しています。