温泉博物館 名誉館長の 温泉ブログ

  温泉の科学や温泉現象について、わかりやすく解説します

2024-03-01から1ヶ月間の記事一覧

日本の「各温泉地」の「温泉科学情報」をまとめて紹介する本があります!

『図説 日本の温泉 170温泉のサイエンス』 今から4年前に、『図説 日本の温泉 170温泉のサイエンス』(日本温泉科学会監修)という本が、朝倉書店から出版されました。わが国の数多くの温泉の中から、温泉科学的に重要であると思われる温泉地170を取りあげ、…

飲酒後の入浴は、かえって「酒が抜けにくい!」

飲んだ後に「ひとっ風呂浴びて酒を抜く」? 以前は、飲み屋街のような所に深夜営業のサウナがあり、酩酊に近いような人たちで賑わっていました。みんな「酔いをさますために」風呂やサウナに入っていました。 「風呂やサウナで汗をいっぱいかけば、アルコー…

紀伊半島の旅「橋杭岩」

橋杭岩 橋杭岩(はしぐいいわ)は、和歌山県串本町にある、奇岩が一列に長く並んだ景勝地で、国の天然記念物に指定されています。 和歌山県串本町の景勝地「橋杭岩」 国指定天然記念物 橋杭岩はどのようにしてできたのか 「橋杭岩」の景観がどのようにしてで…

紀伊半島の旅「那智の滝」

那智の滝 「紀伊山地の霊場と参詣道」が世界遺産に登録されてはや20年が経とうとしています。 紀伊半島を旅するのが好きで、よく出かけますが、今回の白浜への家族旅行では久々に那智の滝や、那智大社などへも寄り道(温泉以外はみんな寄り道)してきました…

パンダの温泉地「白浜温泉」

「家族旅行」という旅行 いつもほとんど一人温泉旅か、一人酒場巡り旅をしていますが、今回は家族旅行で和歌山県の白浜温泉に行きました。今までにない「温泉色の薄い」旅になりました。 白浜温泉遠景 奥の砂浜がオーストラリアから砂を運び入れている「白良…

「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に登録すること

少し前ですが、新聞に「温泉文化」をユネスコ無形文化遺産に登録することをめざす知事の会が発足したという記事がありました。また、日本温泉科学会においても、温泉文化の登録に関するシンポジウムが開かれたことがあります。各界で登録への機運が高まって…

「一番良かった温泉はどこですか」と聞かれますが‥‥

良かった温泉がいっぱいありすぎて いろいろな人から、「今まで行った中で一番良かった温泉はどこですか」と、本当によく聞かれます。正直なところ、温泉が好きすぎて、良かった温泉がいっぱいありすぎます。甲乙つけてランクづけることなど、私には到底無理…

誤解される泉質②「単純温泉」

「単純」という言葉のイメージ 「おまえは本当に単純だ」と言われると、なんとなく情けない気分になります。落語に登場する、ちょっとお馬鹿でまぬけな「与太郎」みたいな‥‥。 念のため、「単純」という言葉を広辞苑第五版で引いてみました。 ➀ 単一で他の要…

誤解される泉質「硫酸塩泉」

泉質名を見たり聞いたりして、その本質を正しく理解してもらえればよいのですが、どうもそうではない現状があるようです。 少し古い話になりますが、筆者は、2004年に「温泉はどのように理解されているか」というアンケート調査を行い、その結果をまとめまし…

温泉に生息する生物

温泉が大好きなのは、人間や渋温泉地獄谷の猿だけではないようです。 温泉に入る長野県渋温泉地獄谷野猿公苑のニホンザル 全国各地の温泉には「温泉発見伝説」があり、白鷺や熊、鹿や猿などの動物による発見伝説も枚挙にいとまがありません。真偽のほどはと…