温泉博物館 名誉館長の 温泉ブログ

  温泉の科学や温泉現象について、わかりやすく解説します

2024-01-17から1日間の記事一覧

温泉がつくる美 エメラルドグリーンの湖

川の深い所は青緑色に見える (長良川) 川の水の深い所は緑色に見えます。これは太陽光のうち、赤色の波長の光が水の分子に吸収される性質があるため、残された青緑系の波長の光が川底で反射をしたり水中の微粒子によって散乱をしたりして私たちの目に飛び込…

本当に愛すべき自然とは 白浜温泉で考える

和歌山県の白浜温泉 その名前の由来となった白い砂浜のビーチ「白良(しらら)浜」が有名です。 白浜温泉のシンボル的な景勝地「白良浜」 ご存じの方も多いかと思いますが、白浜温泉の白い砂浜は砂が年々減っていき、実は「真っ白すぎるぐらい白い砂」を24年…

温泉地の「温泉環境」に酔いしれる 例えば湯の峰温泉

和歌山県の「湯の峰温泉」 言わずと知れた熊野本宮詣での湯垢離場です。いっぱいの温泉環境が心地よく迎えてくれます。 湯の峰温泉の中心部界隈 一、温泉街を包み込む温泉の香り。幸せの硫化水素臭との出会い 二、湯の峰川の河床の雑多な泉源と引湯パイプの…

温泉界のスーパースター 空海

宗教も神社仏閣にも全く興味のない罰当たりな私ですが、空海(弘法大師)にはあこがれます。 「空海」は僧としての名前で、醍醐天皇から贈られた号が「弘法大師」。大師の号を持つ高僧は24人いるそうですが、今の世の中で「お大師」とか「弘法様」と呼ばれて…

山梨県は「ぬる湯」王国

山梨は実は「ぬる湯」と「ぬるめの湯」の温泉大国なんです! 山梨県の増富ラジウム温泉や下部温泉は、全国を代表する「ぬる湯」の湯治場として古くから知られてきました。長時間入浴していると、「自分の体温で周りのお湯が温まる」ような温泉です。 山梨県…

析出物こそ温泉の風情「山梨県芦安温泉の石膏」

温泉の浴槽に、温泉成分の析出物がいっぱい付着していることがあります。多くは炭酸カルシウムからなる石灰華です。うろこ状や小さな棚田状の模様ができています。 山梨県芦安温泉「岩園館」 山梨県芦安温泉の岩園館の露天風呂は少し違って、石膏(硫酸カル…

田沢温泉のすばらしい硫化水素臭と、その起源

信州の松本と上田に挟まれた山間部の山里には、鹿教湯温泉、別所温泉、田沢温泉、沓掛温泉、霊泉寺温泉など、古くからよく知られた温泉地が点在しています。どの温泉も、ゆっくり湯治できるような落ち着いた温泉地で、私は大好きです。 いずれの温泉も無色透…