温泉博物館 名誉館長の 温泉ブログ

  温泉の科学や温泉現象について、わかりやすく解説します

つげ義春の温泉

岐阜市柳ケ瀬の「ねじ式

岐阜市の歓楽街?柳ケ瀬に、国宝級(人によって見解が異なります)の看板があります。「ねじ式」です。スナックの看板です。夜になるとピンク色の輝きが一層魅力的です。

柳ケ瀬の「ねじ式」の看板。 タイトルも字体も色彩もすばらしい。

ねじ式』は、つげ義春の代表作と言われる作品のタイトルです。千葉県房総半島の太海を舞台にした作品で、つげ義春にしては珍しく温泉が直接の舞台になっていません。

失礼ですが、千葉県の温泉というとあまりパッと浮かんできませんが、小室(1981)の論文には 114もの鉱泉が記載されている日本有数の鉱泉県でした。

 

つげ義春の作品に登場する温泉の多く(82%ぐらい)に行ったことがあります。聖地巡礼をした訳ではなく、たまたま重なっていました。僭越ですが、温泉の嗜好が似ているようです。

 

昔の混浴の早戸温泉や、玉梨温泉や八町温泉の共同浴場二岐温泉の湯小屋旅館など、若いころの私にはインパクトがありまた。

混浴の湯治場であった頃の福島県会津の早戸温泉 カルチャーショックを受けた

 

現役の混浴共同浴場 奥会津の玉梨温泉八町温泉共同浴場 カルチャーショックを受けた

 

福島県二岐温泉湯小屋旅館 カルチャーショックを受けた

 

秋田県乳頭温泉郷孫六温泉 カルチャーショックを受けた


つげを読んでから、念仏を唱えながら入る今神温泉にあこがれて行きましたが、残念ながら立ち寄りができなかった思い出もあります。

 

ねじ式』は映画にもなりましたが、いくつもの作品がまとめられていて、私にはよく理解できませんでした。

 

柳ケ瀬の「ねじ式」の看板の下を通るたび、無性につげ義春の温泉に入りたくなります。でも、そんなことより、まずはもう一軒「はしご」が先です。