温泉博物館 名誉館長の 温泉ブログ

  温泉の科学や温泉現象について、わかりやすく解説します

温泉が海水に混じると「にごる」!

温泉の楽園「薩摩硫黄島

鹿児島県の薩摩硫黄島へ行った時、船の横をトビウオが飛ぶわ飛ぶわで、びっくりしました。鳥のように数十メートルは軽く飛んでいました。トビウオの「羽のような鰭(ひれ)」は飾りではなく、ちゃんと機能していることがわかりました。

 

今日の本題は、その船が着いた先「薩摩硫黄島」です。

活動を続ける火山の小さな島で、港へ着いたとたん青い海がまっ茶色に染まっていてびっくり。島の海岸線のほとんどすべてからは温泉が湧き出し、海に流れ込んでいました。

いつも茶色く染まる薩摩硫黄島の長浜港

 

温泉成分が析出して茶色く染まった温泉に棲む魚


温泉が海に流れ込むと、温泉成分のイオン(多くが透明)が、海水中のイオンと出会って電荷を失い、とたんに成分を沈殿し始めます。そのため、温泉成分の沈殿により海が急激に濁り出します。

島から温泉が湧き出すところは濁っている


島の周りの海岸で、海水が濁っている所は温泉が湧き出している所という訳です。

入浴可能な「東温泉」をはじめ、島内には入浴できる温泉が数か所あり、温泉天国だと思いました。

薩摩硫黄島 東温泉