能登地震の津波災害を目の当たりにして
今回の能登半島地震でも大きな「津波」が押し寄せ、甚大な被害が出ました。海岸沿いの低地の恐ろしさを再認識することになりました。
山の高さなどの場合「標高○○m」と表記されるのに対して、海岸沿いの低地などの場合は「海抜○m」と表記されます。標高と海抜は違うのでしょうか?
「標高」は、東京湾の海面(平均海面)を基準(0m)として、そこからの高さを示すものです。富士山の標高は3776mで、東京湾の平均海面から3776m高い所に頂上があります。標高○○mという時は、全国どこであっても東京湾の海面からの高さを表わしています。
これに対して「海抜」は、津波や高潮などの「低地の防災」を意識した時に使用されるもので、「海抜0m地帯」、「ここは海抜2m。避難場所は○○」といった感じで使われます。
低地防災で肝心なのは、最寄りの海の海面よりどれだけ土地が高いかということであり、例えば、名古屋に住む人は名古屋港の海面からどれだけ高いかということが重要です。なぜなら、海面の高さは全国の場所によって異なるからです。名古屋港の平均海面は東京湾の海面よりも1.412mも低いそうです
すなわち「海抜」は、最寄りの海の海面(平均海面)を基準(0m)として、そこからどれだけ土地が高いかを表わすもので、例えば、私の住む濃尾平野の海抜の場合、最寄りの名古屋港の海面を基準(0m)にどれだけ土地が高いかということになります。「海抜5m N.P」などのように、海抜○mの後にN.Pなどの記号をつけて、基準面の場所を示します。N.PはNagoya Peil(名古屋港基準面)の略です。
「濃尾平野の海抜0m」 = 標高0m(東京湾基準) – 1.412m
したがって、濃尾平野における「標高0m」=「海抜1.412m」となりますね。