温泉博物館 名誉館長の 温泉ブログ

  温泉の科学や温泉現象について、わかりやすく解説します

温泉分析書の「電気伝導率」とはどんな単位?

電気伝導率(mS/m とは

温泉分析書の上の方のpHなどが記載されているあたりに電気伝導率という項目が位置づけられている場合があります。

「電気伝導率」が記載された温泉分析書

電気伝導率の単位「mS/m」は、「ミリ ジーメンス マイ メートル」と読みます。

この単位は、一口で言うと水溶液の電気の通りやすさを示す尺度で、水より食塩水の方が電気が通りやすいように、水溶液の中にイオンがたくさん存在している程、電気が通りやすくなります。

すなわち、温泉の電気伝導率は、温泉中に含まれる全イオン量を反映しており電気伝導率が高い温泉は、溶存物質量( 陽イオン  +  陰イオン )が多いということを表わします。

詳細な成分分析を行う前に、温泉水に含まれるおおよその溶存物資量を推定することができるため、分析作業を合理的に進めるために役立ちます。

電気伝導率は、pHと同じように簡易な機器ですぐに測定できます。